私はChromeのManifest V3への移行に伴い、新しいブラウザを探していました。その中でもZen Browserには光るものを感じているため紹介しようと思います。
Zen BrowserはモダンなUIと拡張性の両方の性質を併せ持つ♥
Zen BrowserはMozilla Firefoxをベースに開発されたブラウザです。扱いやすいUI、高いパフォーマンス、プライバシーを重視しています。特徴的な機能として、タブの縦表示やワークスペース機能、コンテナータブなどがあり、プロファイルを切り替えずにアカウントを分離することができます。
一方、UIの完成度は物足りないところがあります。ツールバーのカスタマイズは、思い通りに配置できなかったり、アップデートで破壊されたりすることがあります。
良いところ
- モダンなUI
- 高いプライバシー(Zenはオープンソース)
- ほぼ全てのサイトで動作
- Firefoxの拡張機能をすべて使用可能
- ワークスペースやコンテナータブを標準装備
- Zen ModsというUIアドオンがある
微妙なところ
- ツールバーのカスタマイズにやや問題がある
- アップデートでUI周りの設定が消えることがある(ベータ版)
- 翻訳機能はFirefoxと同じく日本語非対応(拡張機能で対応可能)
- パフォーマンスは今のところ、そこまで高くない
[美しい]Zen Browserのインターフェイス
Zen Browesrはとにかく美しいです。Chromeを使っていたころは普通に動けばいいとしか考えていませんでしたが、外観が良いとテンションも上がるし、作業効率も向上している気がします。もちろん見た目が良いだけでなく、「ワークスペース」、「コンテナータブ」、「サイドバー」などの便利機能を搭載しています。

ツールバー、テーマの強力なカスタマイズ
ツールバーをかなり自由にカスタマイズすることができます。拡張機能のピン留めや左上のEssentialsと呼ばれるショートカット機能もあります。↓

また、テーマは複数色のグラデーションに対応しており、半透明の今風な見た目にすることも可能です。↓

コンテナータブでログイン環境を分離
コンテナータブはFirefoxの機能で、ログイン情報、クッキーなどの環境を分離する機能です。具体例として、プライベート用と仕事用のGoogleアカウントの2つを使い分ける場合、「プライベート」と「仕事」の2つのコンテナーを作り、それぞれログインするアカウントを変えます。↓

Chromeとは異なり、一つのウィンドウに複数の環境をまとめることができるので非常に便利です。もちろん、複数のウィンドウを開いて管理することもできます。
ワークスペーズでタブをまとめる
ワークスペーズはタブをまとめる機能です。例えば、「ショッピング」「仕事」「プライベート」といった感じです。あくまでタブをまとめるだけなのでアカウントのログイン情報やクッキーなどは分離されません(コンテナーなし)。ただし、ワークスペーズにデフォルトのコンテナータブを設定することでワークスペーズごとに環境を分離させることはできます。
サイドバーでAIと連携
サイドバーは文字通りサイドにChatGPTなどのチャットボットを設置して作業することができる機能です。チャットボットのほかにもブックワークや履歴、Bitwardenの拡張機能などを表示させることができます。それ以外はウェブパネル(サイドパネル)を使用することで任意のwebサイトを表示させることができます。↓

AIチャットボットは、サイドバーの他にもテキスト選択して、それを要約したり、説明させたりすることができて非常に便利です。
Zen Browserのパフォーマンスはまずまず
ZenBrowserのパフォーマンスはChromeやArcなどのChromiumベースのブラウザと比べるとやや劣るようです。
Speedometer 3.0というベンチマークではChromeと比較して数ポイント低い結果がでています。
Zen, being Firefox-based, lags a bit further behind. If you want a Firefox alternative that looks different but runs about the same, it’s an option. Otherwise, it’s just Firefox with extra UI features (see below). — Zen Browser review and benchmark vs Chrome, Brave, Firefox and Safari
とはいえ、ZenBrowserはベータ版であることや現段階でも十分なパフォーマンスが出ていることを加味すると大きな問題ではないと考えています。
Zen BrowserはFirefoxの拡張機能が使える!
忘れてはならないことはZen BrowserはFirefoxの拡張機能を一通り使用することができることです。
addons.mozilla.orgの拡張機能はMozillaの機械的なスキャンが行われおり、人間によるレビューも行われているのでメジャーな拡張機能は安全と言って良いと思います。↓

Zen Browserはクロスプラットフォーム対応でオープンソース
Zen Browserの対抗馬としてArcが挙げられます。こちらも高いパフォーマンス、拡張性、セキュリティを備えた優秀なブラウザですが主にMac向けに制作されておりWindowsのサポートが弱いという欠点を持ちます。その点Zen BrowserはWindowsを始め、Mac、Linuxに対応しており使い勝手が良いです。
それに加え、Zenはオープンソースで透明性が高い点も魅力の一つです。プロプライエタリソフトウェアであるChromeはシークレットモードで個人情報を集めまくっていた事例もあり、なるべくオープンソースであると個人的には嬉しいです。
翻訳機能は日本語非対応
残念ながら翻訳機能はFirefoxと同じく日本語非対応です。Android版Firefoxもそうですが、一刻も早く日本語対応するか、Google翻訳などのサードパーティ製翻訳を組み込みで使えるようにしてほしいです。
拡張機能で対応する場合はTWPがおすすめです。
ベータ版のためやや不安定
比較的新しいブラウザなので仕方ない部分もありますが、UI、UXの完成度には改善の余地があると思います。
また、2025年2月28日現在ではFirefoxのプロファイル切り替え機能の実装に伴い、zenのプロファイル切り替え機能が封じられるといった事象があります。ベータ版の内は本家の開発に振り回されることもあり、仕事などでガッツリ使うなら安定版を待つほうが懸命かもしれません。
[まとめ]Zen Browserはかなり良いブラウザ

良いところ
- モダンなUI
- 高いプライバシー(zen browserはオープンソース)
- ほぼ全てのサイトで動作
- firefoxの拡張機能をすべて使用可能
- ワークスペースやコンテナータブを標準装備
- zen modsというUIアドオンがある
微妙なところ
- ツールバーのカスタマイズにやや問題がある
- アップデートでUI周りの設定が消えることがある(ベータ版)
- 翻訳機能はfirefoxと同じく日本語非対応(拡張機能で対応可能)
- パフォーマンスは今のところそこまで高くない
Zen Browserは美しいユーザーインターフェース、拡張性、速度を兼ね揃えた優秀なブラウザです。他ブラウザと比べ、パフォーマンスや翻訳機能、安定性など劣っている点もありますが、全体的には完成度が高いと思います。
Chromeの乗り換え先を検討している方、今使っているブラウザに飽きてしまった方におすすめです。